時計修理雑録/2011-12-01

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Tag: クォーツ オーバーホール オーバーホールセット料金

シチズン86クォーツクリストロン腕時計修理

メールでの問い合わせ—実例問答

  • 1975年の初期型シチズンクリストロン(ステップ運針)ですが、
    電池切れで止まっていた物を何年かぶりに電池交換をしてもらった所、
    無事動いたのですが半日程度でぱったり止まってしまいました。
    秒針も、ピクピクしません。
    動いていたという事は、コイルは生きていると思うのですが修理は可能でしょうか?
    ケース、文字盤、中身の機械の状態はキレイで腐食もありません。
    止まる前と止まったあとでの違いは、竜頭での針送りが以前は秒針と共に軽く動いていたのに、
    やたら重くなった点です。
    実際に診て頂かないと判らないとは思いますが、
    是非直して頂きたいので問い合わせしました。よろしくお願い致します。

    • 問い合わせを頂きまして、ありがとうございます。
      ずいぶん前の時計ですので、油が乾き固まってしまっているのだと考えられます。
      時計の車軸等の油は微量ですので、動かしていれば、汚れますし、
      止めておいても、乾き固まってしまいます。
      しばらく止まったままにして置いた様子ですので、
      汚れた油が、乾き固まってしまったものと考えられます。
      『油切れ』の状態ではないかと思われます。
      動き出しは、乾き固まっているモノが、パリッと割れて、軽い感じで動き出したと思いますが、
      その乾き固まっていた油が、ゴミとなり動きを鈍くして、
      止まってしまったのではないかと思われます。
      分解掃除(オーバーホール)をすれば、大丈夫だと思います。
      送品して頂ければ、オーバーホールを致します。
      ご検討下さいますよう、よろしくお願い致します。
  • お世話になります、お忙しい所、早速の御教示ありがとうございました。
    それでは、検討してオーバーホール又は修理のお願いをさせて頂きますので、
    その際は、どうぞよろしくお願い致します。

    • そして、修理のご依頼を頂きました。
  • 本日夕刻、修理完了品確かに受け取りました。
    詳細な明細書も付けて頂きましてありがとうございました!
    終始安心して御依頼できました事、重ねて御礼申し上げます。
    私事ですが、旧い国産腕時計に興味があり、手巻や自動巻きも複数愛用していますので、
    油切れ等でオーバーホールの際は、又そちらの方もお願いさせて頂きたいと思います。

シチズン86クォーツクリストロン腕時計の修理でしたが、
この時計は電池交換をした後に動かなくなってしまったようで、
上記のように機械が汚れているせいかと思いました。
しかし、全然予想もつかない故障でした。
機械が押しつぶされていました。
押しつぶされていて、歯車のガタ(回転するためのゆるみ、すき間)が無くなっていて、
歯車の車軸も曲がり、軸受なども歪んでいました。
どうやら電池交換の時に裏ブタの締め方を失敗したようです。
この機械は、裏ブタで電池を押さえ込んでいますので、
電池が飛び出たまま裏ブタを閉めてしまったようです。
今のクォーツの機械は、つぶれてしまい修理不能となってしまいますが、
初期クォーツと言っている、この時代の機械は金属製の部品ばかり使用されていますので、
押しつぶされても持ちこたえたのかもしれません。



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